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雨の日は読書。
久しぶりに昔の文庫本を引っ張り出して読んでいる。
そういえばあの子たちは今どうしているのだろう。
本の妖精たち。
僕が勝手にそう呼んでいるだけだが。

本の妖精たちはいたずら好きだった。
昔の活版印刷は職人さんが一つずつ活字を拾い、文章に組みあげているのだけど、隙をついて順番を入れ替えたり、ひっくり返したり、似て非なる文字に入れ替えたりしていた。
僕はそれを見つけるたびに「ああ、またやってるな」と楽しんでいた。

今はデジタルになり、本の妖精はもうそんな遊びはできなくなっている。
どこかへ消えてしまったんだろうか。
それともまだ残っている活版印刷屋さんでいまだに隙を狙っているのだろうか。

そんなことを考えながらまた、読書の続きをする。
天が切りっぱなしの古い文庫本。妖精たちのいたずらもそこにまだ残っている
ページをめくると本の妖精と友達だった小さい紙魚がいた。
ファンタジー
公開:20/09/14 13:58

さとうつばめ( 東京 )

東京生まれ。
読書するジャンルは時代もの多め。ふふ。

*プロフィールお堅いので変えました。
書くの面白くて連投しましたが、長く続けるためにゆるゆるやっていこうかな。

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