不死の時代

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 アナウンサーが世界政府で決議された内容を伝えている。
「人類の不死という時代をどう乗り切っていくかと言う問題について各国代表で議論されていましたが、現状、一定の快適さを保つ数としては、当面、現在の人口の二倍までが限界だろう、という結論に達した模様です。そのため、その上限数について各国で割り当てが行われ、国家間での『上限数の売買』も容認する模様です」
 すでに不死となっている人々の中では、このニュースをどうでもいいと思っている人が多かった。
「数の上限とか、人口密度の快適さより、この苦しさをどうにかしてもらいたいのに」
 人は、あくまでも『死ななくなった』だけで、『苦しさ』は感じるのだった。
「ああ。苦しさだけが続くなんて……」
 テレビニュースが終わると、元気そうな血色のいい女性が小さな瓶を持って画面に映り、ニッコリ微笑んで、新製品の鎮痛剤と防腐剤のCMが始まった。
その他
公開:20/09/14 10:12
更新:21/05/23 22:29
#ショートショート #超短編小説 #不死 #ゾンビ #痛み止め

N(えぬ)( 横浜市 )

読んでいただきありがとうございます。(・ω・)/
ここに投稿する以外にも、自分のブログに同時掲載しているときがあります。

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