2
4

作曲家のA氏の遺体が彼の自宅、それも鍵のかかったスタジオで発見された。
スタジオには防音の為、窓はない。完全な密室。誰がどうやって彼を殺したのか?
「警部!鑑識の結果が出ました!A氏の死因は窒息…それも溺死とみられます」
何?と言う事は殺害現場は別にあるのか!?
「違います。A氏は間違いなくここで亡くなった模様…そもそもこれは他殺ではなく事故死です。A氏は自らが作曲した音の渦に飲み込まれ、音に溺れ死んだのです」
音の渦に飲み込まれて人が死ぬ?バカバカしい!そんな事があるものか!
「いいえ。A氏の曲は素晴らしく息を飲むものでした。私も耳にしましたが止められなければずっと息を止め続け、窒息死していたでしょう…芸術とも言える美しい旋律に私も引き摺り込まれそうでした」
あの曲、そんなに良かったか?あれで人が殺せるとは思えんぞ…
「警部、バカ耳ですもんね」
死にはしないがお前の言葉、胸に刺さったぞ…
ミステリー・推理
公開:20/09/15 19:29

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容