神の図鑑

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「許そう。叔父さん。」

教祖がだらしなく気絶している。弾丸は逸れたらしい。

「自分自身を…」

ゆっくり注ぐような言葉で…

「許そうよ。」

図鑑が輝き、最後のページが埋まる。

「『許し。』それがお前の答えか、しもべ」

青年はすべて知っていた、私に、世界の全てを知る「神の図鑑」に触れたあの日から。誰が両親の事故を仕組んだか。叔父の罪。はじめから全て。だが、許しを祈った。叔父を愛したいと願った。アガペに待つ罰は過酷なものだろう。けれど、図鑑は思う。願わくば…彼に、彼らに幸あれと。

「ページは全て記された。我は神のもとへ帰ろう」

光に包まれ図鑑は消える。


ーーここではないとある場所

神が興味深そうに図鑑を見ている。そこに記された愛の物語に目を細める。

神は図鑑を閉じると、本棚にそれを戻す。

宇宙の根元から全てを記すその本棚は
Notes(ノーツ)と呼ばれている。
公開:20/09/15 17:25
更新:20/09/15 17:39
神の図鑑シリーズ最終話 長編でいつかリベンジしたい 愛とは許し

空津 歩( 東京在住 )

空津 歩です。

ずいぶんお留守にしてました。

ひさびさに描いていきたいです!


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