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熱血少年だった。
熱く語るし、そう行動するようにしてきた。
もっとも、ネガティブ発言もしょっちゅうだったけど。
眼鏡をクイっと中指で上げて。
勧善懲悪には否定的で「こっちはこっちの」「あっちはあっちの」正義があると思っていたから。

そんな僕にも、好きな子ができた。
よく合う視線。いつの間にか好きになっていた。
これは「僕の気持ち」で「彼女の気持ち」は、わからない。

だけど思い切って、告白した。
だってそうだろう?
彼女の視線はずっと僕を追ってくるのだから。

「近寄らないで!」
どうしたんだろう? ああ、ディスタンスというやつか。
「私、あなたが苦手なのよ!」
「……え? だって、ずっと僕を見ていたじゃないか」
「眼鏡してる男性が怖いのよ! 来ないでったら!!」

恐怖の目。怯えて僕を見ていたのか。
だけどさ。
知らないよ! 眼鏡恐怖症なんて!!
知らず知らず眼鏡を上げていた。
その他
公開:20/09/15 02:43

ibara_hime

文章を削る練習をしています。
妄想は得意。感想は苦手。   ・・・・・・です。

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