ロボットが求めたもの

16
8

僕の家には、お手伝いロボットがいる。
家事を手伝ってくれて、家族は喜んでいた。
でも、僕はロボットが嫌いだ。
感情がないのが怖い。

「おかえりなさいませ、航様」

無視して部屋へ逃げ込んだ。

「どうされましたか航様」

心配して部屋に来てくれたらしい。
余計なお世話だ。

「なんでもないし、うるさいぞ」

「でも、航様」

「うるさいな!あーあ、お前が同じクラスの健君を痛い目にあわせてくれたらいいのに!」

健君と喧嘩して、ついロボットに八つ当たりをしてしまった。

「健様を痛い目にあわせば、航様の機嫌は良くなりますか」

「うん」

「私を、褒めてくれますか?」

「…うん」

しばらく沈黙が続き、ロボットは部屋から出ていった。

次の日、教室に入ると健君が血塗れで倒れていた。

「おはようございます、航様」

血で汚れたロボットが近づいてくる。

「航様、私を、褒めてくれますか?」
SF
公開:20/09/12 23:46
更新:20/09/13 00:05
ホラー

たーくん。( 関西 )

ショートショートが好きで登録させてもらいました。
よろしくお願いします!

僕の書いた話が、頭の片隅に残ってくれたら嬉しいです。

★Twitter
https://twitter.com/ta_kun0717

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容