待ち焦がれた物

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 子供たちは3才くらいか。そこら中を走り回り、手当たりしだいに物を掴み、いじり回しては興味を失ってポイと捨て、次に向かう。
 ほかの子と固まったかと思えば離れ、和やかに笑い合っていると思い見ていれば、次の瞬間には、持ったおもちゃで頭を叩いて泣かせてしまっている。
 彼は、同様の人々の中で生き延びた。他の人たちはこの3年以内に皆、世を去った。
 彼もすでに、それほど持たないと言うところまで来たとき、薬は完成し、投与が開始された。
 彼は生まれ変わり、以前の幾十年にもわたる難儀な先の見えない生活に別れを告げてから「健康」を手に入れて、問題が起きないかぎりこのまま成長していくだろう。
 だがそれは、彼が以前のように天才的才能を発揮することとは繋がっていないと思われていた。なるべく同じようには育てられることになっていたが、同じ人生になるとは限らない。
 彼は飛び、跳ね。叫ぶ。そして考えるだろうか?
SF
公開:20/09/12 23:44

N(えぬ)( 横浜市 )

読んでいただきありがとうございます。(・ω・)/
ここに投稿する以外にも、自分のブログに同時掲載しているときがあります。

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