幸福給付者(ヒーロー)
0
2
私は様々な幸せに追い抜かれる。
今日は「笑い声と数人の青年を乗せた自転車」に追い抜かれた。
私は生きることに飽きていた。
私が生まれ16の年月しかすぎてはいないが、「意味のない生」に愛想をつかすには
十分な時間なのではないだろうか。
今日は「笑みを浮かべながらサッカーボールを抱え走る少年」に追い抜かれた。
私は幾多の人に幸せを与えるヒーローになってみたかった。
しかし、そんな夢が叶わないのは周知の事実だ。
今日は「下を向き亀よりも遅く歩む少年」と並んだ。
私は、そんな彼に目を向けた目を上げ前に戻し、信号のない十字路に目をやった。
車の音がしたので、私が歩みを止めると、
彼は私を追い抜いた。
今日は「下を向きながら一人終わりに向かう少年」を追い抜いた。
彼を飛ばした後、私は終わりを迎える。
その刹那、何も語らなかった彼の口から、
「死にたかったのに」
私はヒーローになれたのだろうか。
今日は「笑い声と数人の青年を乗せた自転車」に追い抜かれた。
私は生きることに飽きていた。
私が生まれ16の年月しかすぎてはいないが、「意味のない生」に愛想をつかすには
十分な時間なのではないだろうか。
今日は「笑みを浮かべながらサッカーボールを抱え走る少年」に追い抜かれた。
私は幾多の人に幸せを与えるヒーローになってみたかった。
しかし、そんな夢が叶わないのは周知の事実だ。
今日は「下を向き亀よりも遅く歩む少年」と並んだ。
私は、そんな彼に目を向けた目を上げ前に戻し、信号のない十字路に目をやった。
車の音がしたので、私が歩みを止めると、
彼は私を追い抜いた。
今日は「下を向きながら一人終わりに向かう少年」を追い抜いた。
彼を飛ばした後、私は終わりを迎える。
その刹那、何も語らなかった彼の口から、
「死にたかったのに」
私はヒーローになれたのだろうか。
その他
公開:20/09/12 21:35
更新:20/09/13 18:06
更新:20/09/13 18:06
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます