こんな気持ちになるなら読まなきゃよかった

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本を読み終えた。

不朽の名作ともいえる、有名な恋愛小説。読み進める度に、主人公に移入していく感情。彼女はどうするのだろうか、彼女はどうなるのだろうかと、好奇心が赴くままにページをめくった。

あとがきさえも読み終えた時、大きな満足感と、少しの後悔が残った。物語はハッピーエンドではなかったのだ。わたしは、主人公に今の自分を重ね、彼女が幸せになってくれることを願いながら読んでいた。心のどこかで、彼女が幸せになることで、自分もそうなると望みたかったのかもしれない。

けれど、結果はそうはいかず。小説でさえそうなのだ。まして、現実は甘くない。自分の進む道に濃い霧がかかったような気がした。

こんな気持ちになるのなら、初めから読まなければよかった。そもそも、初めから、好きにならなければよかったのかもしれない。なんて、途方もないことを考えながら本を置いた。
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公開:20/09/13 20:52

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