河童不動産ー貧乏神、仕事する
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「随分、影が薄くなってきたな」
河童不動産の前を掃き清めていた生き霊の男を見て化け猫の柊が呟く。
「そろそろ、帰れそうですか」
生き霊は寂しそうに言う。人間の世界で言うところの一週間程度であったが、魂が馴染んでしまったのだろう。
「お前はこれから償いの日々を送る。忘れるな」
べろんと生き霊の頬を舐めると、ふわりと消えた。無事、肉体に戻れたようだった。
「さてと、ジジイ、お前の話をしようか」
狐に連行された貧乏神がそっぽを向いている。
「お前はすぐ人間に関わりたがる。自分の特質を理解しているのか」
「自分の仕事をして何が悪い」
成る程、誰でも居場所が欲しいものだと一考する。
「今日は貧乏神先生に人間の怖さを教えて貰います」
子供達は拍手で迎えた。
「先日、男が好いた女の為に人を騙し・・・・・・」
効果覿面、貧乏神は得意になって武勇伝を話す。多少、校舎は古びたが人里に下りなくなった。
河童不動産の前を掃き清めていた生き霊の男を見て化け猫の柊が呟く。
「そろそろ、帰れそうですか」
生き霊は寂しそうに言う。人間の世界で言うところの一週間程度であったが、魂が馴染んでしまったのだろう。
「お前はこれから償いの日々を送る。忘れるな」
べろんと生き霊の頬を舐めると、ふわりと消えた。無事、肉体に戻れたようだった。
「さてと、ジジイ、お前の話をしようか」
狐に連行された貧乏神がそっぽを向いている。
「お前はすぐ人間に関わりたがる。自分の特質を理解しているのか」
「自分の仕事をして何が悪い」
成る程、誰でも居場所が欲しいものだと一考する。
「今日は貧乏神先生に人間の怖さを教えて貰います」
子供達は拍手で迎えた。
「先日、男が好いた女の為に人を騙し・・・・・・」
効果覿面、貧乏神は得意になって武勇伝を話す。多少、校舎は古びたが人里に下りなくなった。
その他
公開:20/09/13 20:01
河童不動産
貧乏神
めでたしめでたし
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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