【神の図鑑】情愛のエロス

"エロス"は情愛や性欲を増幅させる危険薬物で依存性、危険度は極めて高い。
ルダスの男に誘拐され、薬漬けにされた女性達は茫然と空(くう)を仰いでいる。

これだけの量の薬物、背後に組織なしには考えにくい。

図鑑が男の遊愛ルダスを記録していたその時、

ーーガウンッ

獣の咆哮のような銃声。仮面の男がこちらに銃を向けている「…アガペ」ルダスの男が呟く。アガペと呼ばれた仮面の男が発砲、レイは身を隠す。

「教団は、おまえの処理を決定した。死ね」

銃弾がルダスの男の眉間に風穴を開け、そのまま姿を消した。

クラブ・ルダスの事件は首謀者の死亡、被害者の集団薬物依存は世間に衝撃を与えた。

施設の病室で物言わぬ恋人マナにトモが寄り添う。

「類稀な清らかな情愛」
図鑑に情愛エロスのページが追加される。

少しして、古本屋にレイ宛の謎の手紙が届いた。

『両親の死の秘密を知りたければ博愛会へ来い』