笑いで世界を救う

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コロナ不況で苦しむ国民を見かねたあべ首相は、「いまこそ日本には笑いが必要だ」と一念発起し、国会中継の最中に笑いを追求することにした。
そもそも国会で繰り広げられる質疑応答は、重箱の隅をつつくような質問や、同じことの繰り返しが多く、長期政権のあべ首相はあきあきしていた。
まずはいつも怒っている某野党幹部に狙いを定めた。
あべ首相は芸人から教わった一発芸を披露し、野党幹部を撃沈させた。勢いに乗ったあべ首相は次々と堅物を笑いで落としていき、さらに自信を深めることとなった。
もちろんマスコミは批判的に報じたが、それはいつものことで、SNS上であべ人気が急上昇したことを確かめると満足の笑みを浮かべた。
そしていま、あべ首相は、政治家になってからの悲願ともいえる次なる標的を落とすため、機上のひとになっていた。
あべ首相は決意していた。
笑いで世界を救い、長年の希望である拉致被害者を取り戻そうと。
SF
公開:20/09/12 10:54

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