河童不動産ー鬼子母神と貧乏神

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「面白いもの飼ってるそうだね」
鬼子母神が河童不動産に入ってきた。背中には可愛らしい赤ん坊がスヤスヤと寝ている。
「鬼子母神さま、その赤ん坊は?」
「ふ、話をそらそうとしても無駄だよ。そこの貧相な男かい。女にでも騙されたか」
まじまじと見られた生き霊は滝のような汗を流す。
「その話はどこで?」
「川太郎、気付かなかったのかい? 貧乏神の興興味津々て顔を。女の為に借金まで背負って馬鹿な男だねーーそれだけでは無いのかい」
「初めは座敷わらしに自分の家に来て貰いたかったんです」
「厄介だね、人間てのは」
赤ん坊がふぎゃあと泣いて、そそくさと出ていった。
「ーー柊さま」
生き霊の男は情けない顔をして現れた化け猫の柊にすがり付く。
「一つ一つ、償うしかないね」
べろんと男の頬を舐めた。
「貧乏神のヤツ、最近とんと見ないね。まさかと思うけどな」
ゴロゴロと雲行きが怪しくなってきた。
その他
公開:20/09/12 10:39
河童不動産 鬼子母神 貧乏神 次回 貧乏神、人里に下りるの巻

射谷 友里

射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。

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