とある男女の終わり

「なんか怪しい……。」
Ｘは、溜息をついた。

Ｘには、現在同棲中の彼がいる。
彼の名前はＹ。
高身長で顔も良く、仕事もできる。
そして、何よりもＸの事を大切にし、とても優しい。
世の女性たちが憧れる、完璧な男性だ。
しかし、最近Ｙの様子がどうもおかしい。
「もしかして、浮気？」
嫌な考えがＸの脳裏に浮かぶ。
交際三年、そろそろＹとの結婚を考え始めていたＸは、不安を募らせていた。

そんなある日、Ｘの目に留まったのは、ソファーの隅に無造作に置かれたＹの携帯。
携帯の持ち主は入浴中だ。
「今しかない。」
罪悪感を抱きながらも、思い切って携帯に手を伸ばした。


Ｙは、浮気をしていた。
証拠は、思いのほか簡単に出てきた。
次々と出てくる証拠に、携帯を操作する手が止まらない。
その時、Ｘの背後で息を呑む音が聞こえた。





「ねぇ、Ｙ君。」

「……この『Ｚ君』って、誰？」