空模様は
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苦労して気象予報士の資格を取ったのに。
定食屋で昼飯を食いながら、TVの中の『気象操作士』を恨めしく見つめた。連中が天気を操作する会社を作って早2年、もはや天気予報など無用のものだ。
「儲かってるみたいですね」
横に座った男が言った。おれが無視するのも気にぜず男は続けた。
「ムカつきますよね。天気を操作とか」
そのあと男は驚くべきことを言った。連中のシステムに侵入して、操作不能にすることができると言うのだ。「どうです、ひと口乗りませんか?」
男に金を渡す約束をした。意外にも安かった。ずいぶん大勢が参加しているようだ。当然だ、どれだけの仲間が仕事を失ったか。
一週間後。朝から雨だった。
「晴れじゃないの?」下の階で文句を言っている声がした。
やった!また仕事できるぞ。
残念ながら天気予報が必要になることはなかった。
確かに操作は不能になって、今日も明日も明後日も、空模様はいつも雨。
定食屋で昼飯を食いながら、TVの中の『気象操作士』を恨めしく見つめた。連中が天気を操作する会社を作って早2年、もはや天気予報など無用のものだ。
「儲かってるみたいですね」
横に座った男が言った。おれが無視するのも気にぜず男は続けた。
「ムカつきますよね。天気を操作とか」
そのあと男は驚くべきことを言った。連中のシステムに侵入して、操作不能にすることができると言うのだ。「どうです、ひと口乗りませんか?」
男に金を渡す約束をした。意外にも安かった。ずいぶん大勢が参加しているようだ。当然だ、どれだけの仲間が仕事を失ったか。
一週間後。朝から雨だった。
「晴れじゃないの?」下の階で文句を言っている声がした。
やった!また仕事できるぞ。
残念ながら天気予報が必要になることはなかった。
確かに操作は不能になって、今日も明日も明後日も、空模様はいつも雨。
SF
公開:20/09/10 22:16
ボケ防止にショートショートを作ります
第二回 「尾道てのひら怪談」で大賞と佳作いただきました。嬉!驚!という感じです。
よければサイトに公開されたので読んでやってください。
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