令和死霊大戦どろどろ

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「そういうときは、後は任せたわ、とか言ってかっこつけるんじゃないの?」
そう言うと、レイカは恨めしそうな目で僕を睨んだ。
「冗談だよ、とにかく離れるなよ」
ヨウイチさんがやられたとなると、どのみち時間の問題だ。幸い、僕の剣は折れていないが、小銃や巨大包丁無しで豚どもを駆逐するのは不可能だ。

なんだってこんなことになったのだろう。
家畜たちの怨念だとか、オカルト系の自称識者は話していたし、この眼鏡では、裸眼では確認できないモノを視ることもできる。そいつをガラスの剣で切ると豚はただの肉塊になる。理屈は通っているように思える。

「なにをぶつくさ言ってるのよ」レイカが言う。
確かに、いまは考えている場合じゃない。真実を知るには、とにかく生き延びなくてはならない。
「行こう」
そのとき、天井が崩れ落ちてレイカを押しつぶした。その上で豚共が暴れている。
僕は小さく悲鳴を上げて、一目散に逃げ出した。
ホラー
公開:20/09/13 07:00

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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