昼下がりのお祓い  

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由美子と付き合って、初めて家に呼ばれ、ランチをふるまってくれるという日、
俺の頭の中では、妄想と平静が決闘していた。
駅で待ち合わせて、家までの道、神社の境内でやっていた骨董市を覗いた。
由美子は好きでよく見に来るという。
俺は骨董の類は全くわからず、決闘中の脳の判断ミスで、つい野暮なことを聞いてしまった。

「知らない人か使っていたモノって、ちょっと気持ち悪くないの?」

「そうね。だから、いつも家に入れる前に、玄関先で塩をふるのね。
お祓いみたいなものかな」

由美子の家の玄関ドアの前に、塩壺が置かれていた。
俺は、塩をふられた。
その他
公開:20/09/11 09:40
更新:20/09/15 17:02

福田七生( 東京 東側 )

ルネサンス人の気質と向田邦子が好きです。

一話読み切りで、由美子と俺が登場するシリーズを続投しています。
他投稿も読んでいただけると、とても嬉しいです。
よろしくお願いします。



 

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