成長したプリンス

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「は?」
思わず声を上げてしまった。何気なく覗いた下界を写す鏡に見えたのは驚くほどの美貌の持ち主で、
「これが、あたしらの子孫?」
とはとても思えなかった。
「おう。順調にいいぷりんになっとるじゃろ」
「プリンスだっての」
「それにしても良い男だねえ。惚れ惚れしちまうよ」
「俺に似て、なあ」
「あたしだっての」
いつの間にか集まってきた何代もの家族たちが好き勝手言っているが、
"誰にも似てないだろ"
と心中突っ込む。
おそらくこのプリンスは、先祖の良いところだけを上手く抜き取った、最高傑作なのだろう。
しかし、あまりの見目の良さは時に不利になる。だが、
「ドンマイ!次、次‼」
失敗した仲間に笑顔で声をかけるその姿に、これなら大丈夫だと頷いた。
ファンタジー
公開:20/09/09 18:37

とこたコト( 愛媛県 )

物書き初心者です。一つずつ勉強していきます。
しばらくぶりでございました!この頃ずっと余裕が無い日々を送っておりましたが、どうにかこうにか戻って来ました(^_^;)
まだもう少しカメさん歩きになりそうですが、またまた頑張ります!
駄文ですが、どうぞ宜しくお願いします。

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