カニの神様

己の命を絶つ為、自殺の名所にやってきた俺は変なカニと遭遇した。
「貴方、自殺志願者ですか？どうも初めまして。私、ここで死神をやっている死にガニです」
そいつは俺に名刺と質問用紙を渡してきた。
『貴方の自殺する意思はカニの甲羅より硬い？』『あの世に行きたいかー？』
何だこりゃ？馬鹿にしているのか？
「半分正解です。それで死ぬ事が馬鹿らしくなったら帰って下さい。それでも死にたいのなら記入して下さい」
俺は質問に全部答える。これでいいか？
「はい。ありがとうございます。それでは貴方の体と魂との絆を断ち切らせてもらいます。チョキンとな」
ハサミが振り下ろされると俺の体は崩れ落ち、俺は魂となってそこに立ち尽くした。
「では、もう暫くお待ち下さい。海の向こうの黄泉の国からすぐに迎えが来ますので。あとこちらの不用品は私共が責任をもって処分しておきます」
カニが口笛を吹くとフナムシが俺の死体に集り始めた。