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友人のEが変なことを言い始めた。

「自分は転生を繰り返してしてきたらしいんだよ。すごく昔からの記憶があるの。普通は前世のこと忘れちゃうじゃん。なのに覚えてるんだよ」
「へー、それで何か問題でも?」

真面目に聞くのもバカらしい。

「大ありだよ。いろんな人生の記憶が膨大なの。頭がおかしくなりそう」
「いつから?」
「ずっと。人に言うと面倒が起こるから黙ってた。でももう限界。5百年分くらいあるんだ」
「5百年前っていうと室町とか?」
「そう、そのあたりから。たまに記憶のないところは多分虫とか魚だったんだと思う」
「ほとんど人間なら受験とか有利でしょ。歴史とか語学とか」
「それがさ、毎回歴史に関わるポジションじゃなかったんだ。ずっと庶民。しかも日本人」
「じゃあ、その記憶の中で一番よかったことは何?」
「お前という友達ができたこと!」

5百年つらいことばかりだったのか? 友よ。
ファンタジー
公開:20/09/09 14:02
更新:20/09/09 17:09

さとうつばめ( 東京 )

東京生まれ。
読書するジャンルは時代もの多め。ふふ。

*プロフィールお堅いので変えました。
書くの面白くて連投しましたが、長く続けるためにゆるゆるやっていこうかな。

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