猫の復讐
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「もう、箱の中に箱って!」
詩織は夏休みに遺品整理の為に祖父母の家に泊まりがけで来ていた。ピーピーと、鳥の鳴く声がする。縁側から見える桜の木で雛が巣立ち間近らしい。巣に戻ってきた親鳥と野良猫がにらみ合いしていたので、そっと硝子戸を閉めた。
その晩、夢を見た。猫が訪ねてきて家主さんにお願いだと涙ながらに言う。子供を人間に殺された。敵討ちをしたいから、妖鳥の子供を食べて力を得たい。親鳥には他の子を食べないと約束するなら、病気の子供をやろうと言われた、と。親鳥も猫も気の毒に思い、幼い鳥が死んでしまったら食べて良いと答えた。猫は分かったと言い帰っていった。
朝早く母猫が走る。小鳥の背中には黒いトゲのようなものが無数にあり猫の口は血だらけだった。
無職の男性が自宅の二階から落ち重体だとニュースが流れた。散らばった黒い羽の下から小動物の骨が見つかり、意識が戻り次第事情を聞くことになるらしい。
詩織は夏休みに遺品整理の為に祖父母の家に泊まりがけで来ていた。ピーピーと、鳥の鳴く声がする。縁側から見える桜の木で雛が巣立ち間近らしい。巣に戻ってきた親鳥と野良猫がにらみ合いしていたので、そっと硝子戸を閉めた。
その晩、夢を見た。猫が訪ねてきて家主さんにお願いだと涙ながらに言う。子供を人間に殺された。敵討ちをしたいから、妖鳥の子供を食べて力を得たい。親鳥には他の子を食べないと約束するなら、病気の子供をやろうと言われた、と。親鳥も猫も気の毒に思い、幼い鳥が死んでしまったら食べて良いと答えた。猫は分かったと言い帰っていった。
朝早く母猫が走る。小鳥の背中には黒いトゲのようなものが無数にあり猫の口は血だらけだった。
無職の男性が自宅の二階から落ち重体だとニュースが流れた。散らばった黒い羽の下から小動物の骨が見つかり、意識が戻り次第事情を聞くことになるらしい。
ホラー
公開:20/09/09 12:32
猫
敵討ち
妖鳥
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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