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それは朝気がついた。
キッチンでうがいをしていたとき、何か光るものが見えた。
天井近く、左右に画面をカッターで切った跡のように光るラインがある。
(蜘蛛の糸? 光が反射しているのね)
それは左右の壁のどこからか伸びている。
探しても蜘蛛はみつからないので、とりあえずその糸を手で絡めとろうとしたが手には何も残らなかった。
(ああ、これは昔のあれだ。なんで今になってこれが見えるのだろう)
それは今でもはっきりと覚えている記憶。
子供の頃、体が弱かった私はいつも家でひとり。
時間になると両親の帰りを玄関で待つ。
そのあいだ、片隅をじっと見つめていると一筋の細い光の糸が現れ、それはだんだん太くなり、そして、そのうちに途方もない光の塊になって玄関いっぱいの大きさになり、自分を包んでいく。
(これって天国に行くドアなの?)
そう思っていた光る糸がまた見えるようになった。
キッチンでうがいをしていたとき、何か光るものが見えた。
天井近く、左右に画面をカッターで切った跡のように光るラインがある。
(蜘蛛の糸? 光が反射しているのね)
それは左右の壁のどこからか伸びている。
探しても蜘蛛はみつからないので、とりあえずその糸を手で絡めとろうとしたが手には何も残らなかった。
(ああ、これは昔のあれだ。なんで今になってこれが見えるのだろう)
それは今でもはっきりと覚えている記憶。
子供の頃、体が弱かった私はいつも家でひとり。
時間になると両親の帰りを玄関で待つ。
そのあいだ、片隅をじっと見つめていると一筋の細い光の糸が現れ、それはだんだん太くなり、そして、そのうちに途方もない光の塊になって玄関いっぱいの大きさになり、自分を包んでいく。
(これって天国に行くドアなの?)
そう思っていた光る糸がまた見えるようになった。
ファンタジー
公開:20/09/09 10:29
東京生まれ。
読書するジャンルは時代もの多め。ふふ。
*プロフィールお堅いので変えました。
書くの面白くて連投しましたが、長く続けるためにゆるゆるやっていこうかな。
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