後ろから読め

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 より善く生きていると、神の恩恵があるものだ。ある男が、善行を祝福され、
「この中からお前の望む人生を3つ選びなさい。その人生を生まれ変わって体験させてやろう」
 白い布きれを着た、長髪、面長で痩せ気味のおじさんに夢の中で言われた。男の目の前には山ほどの、「人の人生を詳細に記した本」があった。それで男は、一冊ずつ本を手に取りページをめくり、
(さて、どれがいいかな?)と考えたが、人の人生というのは非常に長いので読むのがめんどうになり、最後は、
「これでいいです」
 わりと安易に、3人の男の成功物語を選んだ。
「ホントにそれでいいのだな?では分かった」
 そして男は生まれ変わった。
 一人目は大実業家になり、二人目は有名投資家に、三人目は大ギャンブラーになった。
 彼は、一度目にまず会社を乗っ取られて惨めな死を迎え、二度目は不正な取引で獄中死。三度目は大当たりの末に心臓麻痺でこの世を去った。
その他
公開:20/09/09 00:26
更新:21/05/23 22:33
#ショートショート #超短編小説 #人生

N(えぬ)( 横浜市 )

読んでいただきありがとうございます。(・ω・)/
ここに投稿する以外にも、自分のブログに同時掲載しているときがあります。

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