意味不明な告白

　入社して３年、今日こそあこがれの木村さんに告白する。終業時間となり、急いで待ち合わせ場所に行くが、まだ木村さんは来ていないようだ。
　僕にはあこがれている言葉がある。「結婚を前提に付き合ってください」だ。
　木村さんはとても気が利いて、料理がうまくて、仕事もバリバリできる。子どもが好きなら完璧だな。僕も子どもが好きだし、姪っ子の世話もしたことがある。
　ああ、木村さんと付き合ったら、どうしようかな。まずいろんなところに行って、ロマンチックな所でプロポーズして、結婚して、そして子どもを……出産には立ち合いたいなぁ

「田中君、お待たせ。話って、何？」

　あ、木村さんが来た。早く、あの言葉を……

「き、木村さん、ぼ、僕と……出産を前提に付き合ってください！」


　そのあと無事付き合うことになり、二人で食事に出かけた。僕は子どもがいかに好きかを思いっきりアピールする羽目になった。