守護霊 2

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「てめぇじゃ話になんねぇよ!!」
取引先の河井は主任の君嶋に持ってた書類を投げつけた。俺と君嶋は申し訳無いですと頭を下げる。とはいえこちらのミスじゃない。河井が納品の指定日を間違えてこっちに伝え、今日になって早めるよう言ってきた。
「下請けは黙って云うこと聞いてりゃそれでいいんだよ!!」
隣で頭を下げていた君嶋の拳が強く握られていくのがわかった。
「わかりました。ちょっと担当を変更させて頂きます」
君嶋と俺は応接室を後にする。
「なぁ、あの新入社員。アイツを呼んできてくれ」
「え、でも彼は…」
「いいから呼んでこい!」
君嶋の剣幕に俺は後輩を呼んだ。
勿論、入ったばかりの彼に対応できるわけなく河井は更に激昂し捨て台詞を吐いて会社を後にした。
「いいんですか?」
「大丈夫なわけないだろ」
その帰り道に河井は事故で死んだ。
即死だ。
その訃報を聞いた君嶋の口角は少し上がってるように見えた。
ホラー
公開:20/09/10 12:50

Yukihiko,Tonitani( 千葉県 )

創作が好きで自分のペースで作品を書いていきたいと思います。
宜しくお願いします。

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