たまったツケ
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夜遅く、携帯が鳴った。幼馴染みからだった。指定された店まで行くと、彼女はすでに酔い潰れていた。
会計を済ませ、ごねる彼女を無理矢理立たせる。かなり飲んでいたらしく、猛烈に酒臭かった。
「ねえ、聞いてるー?」
「聞いてるからちゃんと歩け」
アメフトファンの彼女の部屋には、応援チームのグッズやポスターが飾られている。
部屋に上げる上げないで彼氏とケンカした挙句、フラれてしまったらしい。
隠したところでいつかはバレることなのに――。
そこでふと、昔のことを思い出した。幼い頃、戯れに交わした無邪気な約束。
「……じゃあ、俺と付き合ってみる?」
軽い気持ちで言ったのに、急に静かになった。
「それ、本気?」
真剣な目が近くにあって、俺は「ああ」と答えていた。
彼女は何か言いかけてやめ、代わりに深いため息を吐いた。
「二十年、待たせたツケはデカいわよ」
それがOKの返事だと理解するのに、結構かかった。
会計を済ませ、ごねる彼女を無理矢理立たせる。かなり飲んでいたらしく、猛烈に酒臭かった。
「ねえ、聞いてるー?」
「聞いてるからちゃんと歩け」
アメフトファンの彼女の部屋には、応援チームのグッズやポスターが飾られている。
部屋に上げる上げないで彼氏とケンカした挙句、フラれてしまったらしい。
隠したところでいつかはバレることなのに――。
そこでふと、昔のことを思い出した。幼い頃、戯れに交わした無邪気な約束。
「……じゃあ、俺と付き合ってみる?」
軽い気持ちで言ったのに、急に静かになった。
「それ、本気?」
真剣な目が近くにあって、俺は「ああ」と答えていた。
彼女は何か言いかけてやめ、代わりに深いため息を吐いた。
「二十年、待たせたツケはデカいわよ」
それがOKの返事だと理解するのに、結構かかった。
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公開:20/09/10 04:39
どうやったら面白い作品が書けるのか、日々試行錯誤中。
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