トレード

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ベテラン作家の私は今、絶賛スランプ中である。何も思いつかない…
なので新しい考えを取り入れる為、作家志望者の相談会に参加してる。
私は参加者の質問に答え、ベテラン作家としてのアドバイスを与えた。
その最中、見込みのありそうな者を見つけては交渉を持ち掛ける。
「君の考えは素晴らしい!そこでだ。その柔軟な発想力と私の技術力をトレードしてくれないか?」
作家ならではのジョークと捉えたのだろう。多くの者が快くトレードに応じてくれた。

『今回も奇抜な発想で見事読者を驚かせましたね!しかし…少し文章が拙いとの声もありますが…』
またも文学賞受賞のインタビューを受ける私は苦笑いで答える。
「新しいジャンルに挑む時は私も新人になります」
納得する記者。今回も見事に騙せた。
私は技術を失い発想を得た。
おかげでネタには溢れている。あとは再び技術を伸ばすとしよう。
私の技術力なんて発想力がなければ無意味だ。
ミステリー・推理
公開:20/09/09 18:57
更新:20/09/09 19:41

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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