増える花瓶

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俺の恋人の京子が亡くなった……。
飛び降り自殺だそうだ。俺があんなことをしたせいだろうか。
教室の窓側奥ーー京子の席の花瓶に尋ねてみても当然言葉など帰ってくるはずもない。

次の日教室に来た俺は驚いた。京子の前の席にも花瓶が乗っている。
「あっそれ佐久間さんね」興味なさげに言う彼女に寒気すら覚える。
普通なら学校中で問題になりそうだがその気配すらない。
花瓶はどんどん増え、ついに左半分が花瓶で埋め尽くされた。
もうダメだ。お終いにしよう。

屋上に行くと京子が子供を抱えて笑っている。
「ごめんな、京子」俺は京子の手をとって宙に飛び出した。

--気がつくと俺は教室の中にいた。奇妙なことに左側には生徒がいるが、右には誰もいない。
ちょうど京子が来たので話しかけるがいきなり怒られた。
「もう! 私たちの赤ちゃんほおって、何先いってるの!」

ちなみに次の日来ると右側に一人生徒が増えていた。
ホラー
公開:20/09/07 20:58
更新:20/09/07 21:05

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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