4
5

結婚を前提に付き合っていた彼に突然別れを告げられた。
彼を愛し、忘れる事なんてできない私は泣いた。食事も睡眠も忘れ、思い出に浸り涙を流し続けた。
そんな私を不憫に思ったのか、目の前に神様が現れた。
『貴方の願いを何でも一つだけ叶えてあげましょう」』
優しく微笑んでくれた神様を前に、私は涙を止めた。
「…すみません。今そんな気分じゃないんです。そっとしておいてもらえませんか?」
神様は何も言わず消えてくれた。邪魔者がいなくなり、私はまた思う存分泣き続けた。

三日三晩泣き続けるとやっと心にも整理がついた。
メイクで赤い目を隠し、仕事へと向かう。
…泣いている間に何か物凄く惜しい事があったような気がするけど…ま、忘れるような事なら大したことじゃないか。
公開:20/09/08 19:14

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容