競技かくれんぼ
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競技かくれんぼの決勝。抽選会でホームで先攻、とクジに恵まれた僕は、自宅に隠れる対戦相手を探していた。しかし、さすが昨年の王者。見つからない。カーテンの裏、クローゼット、布団の中...どこにもいない。
もう時間が...
焦る僕をよそに、タイムアップの鐘は無慈悲に鳴らされた。くそ...でも、僕も見つからなければいいのだ。
ところが、時間になっても鬼となる対戦相手が現れない。
「どうしよう」
運営が頭を悩ませていると、王者の飼い主が会釈し、一匹の猫を地面に置いた。猫が甘えた声でにぃと鳴くと、カリ、と扉を引っ掻く音が聞こえた。扉を開けると王者が口に何かを咥えていた。
「あ、それは!」
本棚の一番奥。本の表紙の裏に隠した書きかけのラブレター。なんで!
「さすがチャンピオン。自分が隠れると同時に相手の隠恋慕を見つけるとはやりますな」
睨みつける僕を尻目に、王者は雌猫に体を擦り寄せている。
もう時間が...
焦る僕をよそに、タイムアップの鐘は無慈悲に鳴らされた。くそ...でも、僕も見つからなければいいのだ。
ところが、時間になっても鬼となる対戦相手が現れない。
「どうしよう」
運営が頭を悩ませていると、王者の飼い主が会釈し、一匹の猫を地面に置いた。猫が甘えた声でにぃと鳴くと、カリ、と扉を引っ掻く音が聞こえた。扉を開けると王者が口に何かを咥えていた。
「あ、それは!」
本棚の一番奥。本の表紙の裏に隠した書きかけのラブレター。なんで!
「さすがチャンピオン。自分が隠れると同時に相手の隠恋慕を見つけるとはやりますな」
睨みつける僕を尻目に、王者は雌猫に体を擦り寄せている。
その他
公開:20/09/06 21:41
空想競技
マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。
100 サクラ
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