駆け抜ける想い

22
12

 陸上競技世界大会400m女子決勝。その舞台に日本人として初めて立ったのは、日本陸上競技界に突如として現れたスーパーヒロイン・早川真衣。
 彼女が老若男女を問わず絶大なる人気を誇る理由は、競技者としての飛び抜けた実力だけではなかった。
 競技中の真剣な眼差しと少しハニカミ屋な所はクールビューティと表現されたが、ゴール直後のあどけない満面の笑顔はベリーキュートで、そのギャップがたまらないとのファンが多かった。
 そして何よりも、父親想いな所が世のお父さん世代のハートを鷲掴みにしていた。彼女が陸上を始めたきっかけは、小学生の時にどうしても運動会でリレーの選手になりたくてお父さんと一緒に毎日、走ったことだった。
 この大会でも彼女は走る。それは自分の為でも、国民の為でもない。
 ゴールの先で迎えてくれる父親の笑顔に飛び込んで行く為に。

 勿論、この話しは娘を持つ父親の胸を駆け抜ける空想である。
恋愛
公開:20/09/06 21:27
更新:20/09/06 21:37
空想競技 コンテスト

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
 勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
 どうかよろしくお願いいたします。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容