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「そろそろ帰るぞ」
夕陽に照らされた堤防の坂上から、親父が大きな声で言う。
二人の弟妹たちは、まだまだ遊ぶ気だ。次男などは座り込んでしまっている。
「ほら、もう暗なるから帰るで」
「兄ちゃん、先行くで。知らんで、もう」
もちろん、言っても無駄である。やや茂りすぎた芝生の坂をひとりで登っていく。
ふいに考えが浮かび、僕は大げさな身振りで叫んだ。
「あ! うわわわ!」
片足で立ち、両手をばたつかせる。
「何やってんの、兄ちゃん」
次男が馬鹿にしたように言う。僕はそのまま倒れて、草の上を横に転がり落ちていく。
「あー、れーっ」
見ていた弟妹が、こちらへ駆けてくる。
「やるやる!」「アタシも!」
揃いでころころ、坂を巡る。
「よっしゃ、兄ちゃん力持ちー!」
笑う長女を肩に乗せ、一気に坂を駆け上がる。
反対側、下の駐車場から、親父が手を降っている。
「車まで競争や」
僕が叫び、いっせいに駆け出した。
夕陽に照らされた堤防の坂上から、親父が大きな声で言う。
二人の弟妹たちは、まだまだ遊ぶ気だ。次男などは座り込んでしまっている。
「ほら、もう暗なるから帰るで」
「兄ちゃん、先行くで。知らんで、もう」
もちろん、言っても無駄である。やや茂りすぎた芝生の坂をひとりで登っていく。
ふいに考えが浮かび、僕は大げさな身振りで叫んだ。
「あ! うわわわ!」
片足で立ち、両手をばたつかせる。
「何やってんの、兄ちゃん」
次男が馬鹿にしたように言う。僕はそのまま倒れて、草の上を横に転がり落ちていく。
「あー、れーっ」
見ていた弟妹が、こちらへ駆けてくる。
「やるやる!」「アタシも!」
揃いでころころ、坂を巡る。
「よっしゃ、兄ちゃん力持ちー!」
笑う長女を肩に乗せ、一気に坂を駆け上がる。
反対側、下の駐車場から、親父が手を降っている。
「車まで競争や」
僕が叫び、いっせいに駆け出した。
その他
公開:20/09/10 07:00
さまようアラフォー主夫
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