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新宿のホーム。いつか妻と訪れたテーマパークの記憶と比べながら、その絶え間ない雑踏に和男は戦慄していた。
階段を降りてすぐに、髪を金に染め、顔中にピアスをつけた男と肩をぶつけた。
恐る恐る男の方を振り返ったが、その若者は何度か頭を下げて小さな声で謝ると、すぐに人波の中へと消えていった。
西口改札を出て、タクシー乗り場に向かう途中に、スイーツの店舗が並ぶ明るいエリアがあった。和男はしばらく悩んだ末に、チーズタルトを買った。お土産にと地元から持ってきていた豆饅頭を、新幹線の中へ置き忘れてきたからだった。
和也は甘いのが好きだから、まあ、いいだろう。食べたことはないが、売り子の娘も、美味しいと言っていたし。
タクシーの車窓から雨の街を見る。和也の暮らす街だ。だが、人の数が多すぎる。ここは住むべき土地ではないと感じる。
膝の上に乗せた紙箱に手を添えながら、和男は昔のことを思い出していた。
階段を降りてすぐに、髪を金に染め、顔中にピアスをつけた男と肩をぶつけた。
恐る恐る男の方を振り返ったが、その若者は何度か頭を下げて小さな声で謝ると、すぐに人波の中へと消えていった。
西口改札を出て、タクシー乗り場に向かう途中に、スイーツの店舗が並ぶ明るいエリアがあった。和男はしばらく悩んだ末に、チーズタルトを買った。お土産にと地元から持ってきていた豆饅頭を、新幹線の中へ置き忘れてきたからだった。
和也は甘いのが好きだから、まあ、いいだろう。食べたことはないが、売り子の娘も、美味しいと言っていたし。
タクシーの車窓から雨の街を見る。和也の暮らす街だ。だが、人の数が多すぎる。ここは住むべき土地ではないと感じる。
膝の上に乗せた紙箱に手を添えながら、和男は昔のことを思い出していた。
その他
公開:20/09/08 07:00
さまようアラフォー主夫
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