タイムスリットの脅威（３）困惑　～タイムダイバーシリーズ～

俺たちは単純には元の世界に戻れない。時間線に分岐点が多発していたからだ。ＡＩタイマーがサーチした。

「元の時空線に戻る方法はあるのか？」俺はタイムパトロールに聞いた。
「あるよ。俺達のシップなら戻れる。けど2200年の人間には使わせないよ」
法律があるのは分かってる。

「俺たちがこの時空線に移った原因は何だ？」
「2200年人には教えられないな」
タイムパトロールは冷たく続けた。
「3000年には君らは死んでる。死んだら人権などないさ」
「私たちは現に生きてるわ」とココ。
「我々から見れば出来のいいゾンビだよ」
取りつく島もなくタイムパトロールは去っていった。

「休止地点の時空座標を確認してくれ」俺はココに指示した。
俺たちはダイブの途中でシップを停止させて６回休止している。
時間酔いを避けるためだ。旅行なので通常より多めにとった。
時間酔いは潜航病につながる。潜航病は死に至る病だ。