レインボーリング

今日は私達の街が競技会場となった。街から空に向かって伸び上がった虹の麓で、私は白と青の空模様のボールを手にした。

ギュッ

そして虹の向こう側を見つめて投球動作を始めた。ボールを思い切り高く上げ、そのまま一気に振り下ろして虹のレーンに投げた。

グリン！

ボールは赤く光る帯をカーブ回転しながら進んでいく。周りの雲を巻き込みながら少しずつ大きくなっていく。赤、黄、橙とボールはカーブで曲がり始め、虹の向こうへどんどん転がっていく。

ゴロゴロゴロゴロ

そしてボールは虹の彼方、私が見えない所まで転がっていった。審査員がマイクを虹の端へ向けた。

ガッシャーーン！

ストライクだ。これで相手がミスれば私達のチームは決勝戦進出だ。私は相棒に向かって両手を上げてハイタッチをした。

ガッシャーーーーン！

空模様の隕石がまた私達の街に落ち、最後に残っていたビルは粉々に砕けた。