レジェンド

6
7

「何のつもりだ?こんなところへ呼び出して」
「いきなり申し訳ありません……。私と組んで大会へ出場していただきたくて」
「またか。その話は全て断っているよ。私が現役を退いて何年経つと思っている?」
「ブランクは関係ありません、あなたほどの名選手なら」
「私は現役時代に四大大会を完全制覇した。金メダルも獲得した。もうやり残したことはない」
「世界中のファンもきっと喜びます」
「いやいや、私などもう忘れ去られた存在だよ」
「いえ、今でもレジェンドとして……」
「いい加減にしてくれ!今のテニス界は現役の君達が盛り上げるべきだろう?……イタコテニスだか何だか知らないが、霊魂を憑依させても肉体は君達のもの。スポーツは自力でやってこそ意義があるのではないかね!」

一喝すると、青年は渋々術を解いた。

まったく、今どきの生きている者は……。こちらも忙しいんだよ。霊界テニス大会五十連覇がかかっているんだ。
ファンタジー
公開:20/09/06 11:45
更新:20/09/06 11:49
空想競技

makihide00( 鳥取→東京→福岡 )

30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。

長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。

Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00

株式会社ベルモニー Presents ショートショートコンテスト 入選 「とんでかえる」

隕石家族×ショートショートガーデンコラボ 小惑星賞 「詠み人家族」

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容