Ⅰ.019 壁にめり込んだ男~実証~

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「見るは信じるなり。お疲れスパ姉さん」
「お疲れ様です。セディさん。ニールさん」
 彼女は、スパイス・シーズニー。デニさん直属の部下である半獣型馬亜種の刑事だ。眼鏡とスーツ姿の似合う凛とした佇まいは、いつ見ても美しい。
「ひとつ聞いていいかな?」
「何でしょうか?」
「今の蹴りは本気?」
 と、スパ姉に蹴り飛ばされたデニさんを示す主人。
「いえ、1から10で言えば4です」
「なら10出せば、大男を完全に埋めることもできる」
「犯人はわたしと同種なんですね」
「推測上は」「わん」
「充分です。裏付けはこちらの仕事なので」
「おい、シーズ…何しやがんだ…」
 壁の中で声を絞り出すデニさん。
「心当たりはありませんか?男が男の味方をするとは限らないんですよ」
 そういえば、口止めされていた警官がいないな。
「同感だね。失敗は目をつぶっても、悪口はつぶるなって言うし」
 おい、主人…。
ファンタジー
公開:20/09/06 09:24
更新:20/09/06 09:27
ファンタジー 連載 事件 探偵 推理

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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