星降る街の配達人

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 今年も落星期(らくせいき)に入った。
 寿命の尽きた星たちが地上に落ちてクレーターを作る。
 メールなどの文書はインターネットで送信できるが、食料品や衣類、日用品ではそうもいかない。
 落星時には爆風や、地形を変えるほどの衝撃が起こる。大手企業はこれに耐えられるだけの装甲車や輸送機を持っているが、中小企業ではなかなか揃えられないのが現状だ。
 個人で運送業を営むセイジさんは不安を口にする。
「落星予報も必ず当たるというわけではありませんし……早く安全に走れる道を作ってほしいです」
 こうした声を汲むためにも、各国首脳にはいち早く、壊れにくい強固なパイプを築いてもらいたいものである。

 ボクは新聞から目をあげた。ママがいつになくピリピリしている。この時間には帰宅しているはずのお父さんが、ちっとも戻ってこないからだ。
 ボクはそっと玄関のほうを見た。
 お父さん、早く帰ってこないかな……。
ファンタジー
公開:20/09/06 18:35

スズキリネン( 千葉 )

どうやったら面白い作品が書けるのか、日々試行錯誤中。

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