豆の種蒔き競争

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雪解けが終わり春が来た時、村起こしの為に、貧しい村は豆の種蒔き大会を開き、
同じ広さの畑から良い豆が沢山採れた者を勝利者としました。

村一番広い畑を持つ男と、村一番年寄りの男と、村一番狭い畑を持つ男の三人が選ばれた。
広い畑を持つ男は大きな手で種を沢山掴み畑中にばら撒いた。
年寄りの男は永年の経験で畑に線を引き種を蒔いた。
狭い畑を持つ男は家から鶏を連れてきて、「古くて皺の有る種や、虫が食べた種は突っいて取り除いてくれ」と頼んだ。男の後から、鶏は突っつきながら付いて行った。

秋になり三人の畑に豆が実り、広い畑を持つ男の撒いた豆の実は沢山出来たが、小粒ばかりだった。
年寄りの男の蒔いた豆の実は綺麗だが、空っぽの鞘の物が多かった。
狭い畑の男の蒔いた豆の実は立派な豆が沢山実った。
良い種を撒いたので良い結果が出たのです。

勝利した男は皆に自分のやり方を教え、村は豊かになりました。
ファンタジー
公開:20/09/06 15:42

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