タイムスリットの脅威（１）出発前　～タイムダイバーシリーズ～

パンゲア大陸へのタイムダイビングに成功した俺たちは＂2200年世界＂の新記録を樹立して凱旋した。
数多のインタビューに応え、スポンサー主催のパーティでも大歓待を受けた。
パンゲアはそれほどインパクトがあったのだ。
深過去が深いほど幾何級数的にエネルギーが消費され、潜航病の危険も高まるからだ。
下手をすると戻れなくなるし死に至る。
俺はタイムナビゲーターのココや他のクルー達と上機嫌だった。

「全員で浅いダイブを楽しもうぜ」俺が言うとココが希望を出した。
「古代エジプトがいいわ、ケイ」俺はケイ・アルファという名前だ。
クルーも大賛成だった。5000年程前だが軽いものだ。一週間はのんびりできる。

３日後、時間管理局で許可を得ると球形のＡＩタイマーが俺たちのタイムシップ、アマテラスにテレポートしていった。Ｓ３級ライセンスを持つ俺には大抵の許可が出る。

でも俺たちは古代エジプトに行けなかった。