ボトルシップの奇蹟

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俺の部屋には不思議なボトルシップが飾られている。
ある蚤の市で購入した代物だが、ボトルの中に大航海時代の帆船の模型が入っている。ある日、ボトルの中から嵐の音が聞こえ、帆船が荒れ狂う大波に呑まれようとしていた。目の錯覚かと思ったが、よく耳を澄ますと、乗組員らしき者の騒ぎ声も聞こえる。
それから数日後、帆船が見覚えのある豪華客船に変わっていた。これは映画で観たことがあるタイタニック号が沈没していく場面だ。また別の日には、戦艦大和が沖縄へ本土決戦に向かう途中で米軍機によって撃沈される場面だった。
それから数日後、自分とそっくりの人物がヨットで遭難していた。ちょうど趣味のヨットで航海に出る予定だったが、胸騒ぎがして急きょ中止にした。すると、出発する予定だった航路に台風が直撃したことをニュースで知った。
俺はボトルシップのお蔭で命拾いをしたのだ。それ以降、ボトルシップに異変が起こることはなくなった。
その他
公開:20/09/05 07:14
更新:20/09/05 07:24
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山田衆三( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育ち、大学時代は京都(御所の近く)、大学院時代は湘南(海ではなく山側)で過ごす。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年06月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。

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