街角アッパー
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初めては、赤いセーターを着た彼女だった。
勝負は一瞬。
寒空の街角ですれ違った瞬間、左ストレートでKO。
背中を、熱を放つためのとは別の汗が伝った。
すれ違う度、名前すら知らない彼女と何度も勝負をした。
彼女は強い。
負けを繰り返す内、『クリスマスには勝負を決めたい』という思いが強くなっていった。
クリスマス・イヴで賑わう街。
上等なセーターを着て、俺は彼女を待った。
初めて勝負をした時と同じ赤いセーター。
彼女だ。
いつもの様に黙って彼女の横を通り過ぎる瞬間、不意打ちのアッパーを打ち込む。
彼女が横に避けた所をすかさずクリンチに持ち込んだ。
クリンチはほどけることなく、静かなせめぎ合いが続いた。
「ノーコンテスト」
彼女はクールに裁ち切って、絡んだ俺と彼女の糸は毛玉となった。
「場所を変えて、勝負の続きをしないか?」
初めて言葉を交わす彼女の手を握ろうとすると、静電気が走った。
勝負は一瞬。
寒空の街角ですれ違った瞬間、左ストレートでKO。
背中を、熱を放つためのとは別の汗が伝った。
すれ違う度、名前すら知らない彼女と何度も勝負をした。
彼女は強い。
負けを繰り返す内、『クリスマスには勝負を決めたい』という思いが強くなっていった。
クリスマス・イヴで賑わう街。
上等なセーターを着て、俺は彼女を待った。
初めて勝負をした時と同じ赤いセーター。
彼女だ。
いつもの様に黙って彼女の横を通り過ぎる瞬間、不意打ちのアッパーを打ち込む。
彼女が横に避けた所をすかさずクリンチに持ち込んだ。
クリンチはほどけることなく、静かなせめぎ合いが続いた。
「ノーコンテスト」
彼女はクールに裁ち切って、絡んだ俺と彼女の糸は毛玉となった。
「場所を変えて、勝負の続きをしないか?」
初めて言葉を交わす彼女の手を握ろうとすると、静電気が走った。
ミステリー・推理
公開:20/09/05 19:39
構成の凝った作品が好きです。
雑絡みOK!
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