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ふらりと立ち寄った酒場で変な男と仲良くなった。

なんでもそいつは異界から来てこの世界を調べているとのこと。

何かこの世界にきて面白かったことはあるか?と冗談半分で聞いた。

「鏡って文化かな」

「鏡?」

「気を悪くしないで聞いてくれよ。
俺らの世界ではあれを色々な場所に置いてことあるごとに見る奴らの気が知れない」

「どうしてだ?」

俺は聞いた。

「君たちには別のものに見えてるのかもしれない。それが俺がこの世界にやって来て辿り着いた結論だ。
でも俺らには違って見える」

「どう見えてるんだ?」

「俺らのとはまた更に違う世界を窓のように切り取って、君たちはそれを毎日見ているんだ。本当に不思議だよ。君らは向こう側では研究対象として扱われている。そのうちいつか彼らも君たちに会いにくるんじゃないか」

俺はすぐに家に帰り全ての鏡という鏡を割った。

あれからその男とも会ってない。
その他
公開:20/09/05 02:43
更新:20/09/05 03:04

Yukihiko,Tonitani( 千葉県 )

創作が好きで自分のペースで作品を書いていきたいと思います。
宜しくお願いします。

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