競争社会

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図書館からで出ると、2人組の男が白いゴールテープを張って待ち構えていた。
何だ?
ゴールテープの方から近づいてくる。
オレ?
自分を指差し確認する。
2人組は頷いた。
皆目見当つかないが、とりあえず両手を上げてゴールした。
「おめでとうございます。本日付で今年1位になりました」と告げられ、賞状を手渡された。
何でも順位をつけて褒め称える昨今、まさかオレが受賞するとは。
でも何の1位?
今日は図書館へ行き、今年は転勤で引越した事しか思いつかない。
答えがある賞状を見ると〔2020年度借り物競争〕と記してあった。
確かに突然の引越で借金をしたり、レンタカーに賃貸マンションと、色々借りた。
しかし、それは努力して得た事か?
やはりこの風潮はおかしい。
世の中変えないと…

パンっ!

決意と同時にスターターピストルの発砲。
オレは目の前の千鳥ヶ淵に飛び込む。

永田町トライアスロンのスタートだ。
その他
公開:20/09/05 01:34
更新:20/09/05 17:58
空想競技

さささ ゆゆ( 神奈川 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

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