星空にパレードを

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「なあ覚えてるか?あいつら、夜空に銀玉鉄砲ぶちかましてよ」

忘れるもんか。あの敗戦から11年間、俺たちは血の滲むような特訓を重ねた。いくら努力したってゴールなんか見えない。見えてくるのはむしろ、星空のチェスとも呼ばれるこの競技の奥深さ。それはつまり、あの銀玉の軌道や着弾点があまりにも…。

「見事だったよな。たった一発で未来を変えちまったんだから。でも見ろよ、この星の配置。今度は俺たちがお祝いのパレード見せつけてやろうぜ」

キャプテンの狙いは、月だ。たかが一惑星を周回する衛星だって生まれ変われる。ポーンがクイーンに昇格するように、月も太陽とおなじ輝きを放てる。

「タイミングは飛び石のあるウィーク。ゴールデンやシルバーには及ばずとも、有給なしの4つ並びも悪くないだろ」

固唾を飲んでチームメイトが見守る。キャプテンは机に置かれた十円玉に片目を近づけ、力いっぱい人差し指をしならせた。
ファンタジー
公開:20/09/04 23:15
更新:20/09/05 22:32

糸太

400字って面白いですね。もっと上手く詰め込めるよう、日々精進しております。

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