痛み分け

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 私の仕事場に一人の同僚がいる。
 彼とは、けっこう長い仕事仲間で、上手く助け合ってやっているのだが。
「これは、いつもの『あまり歓迎しない』仕事だな」
 私が書類に目を通しながら聞こえるように言うと、彼も答えて。
「勝負と行くか」
 手ぐすね引いてこちらを向いた。
『一人でやるには少々手に余り、二人でやるには小さい仕事』は、私たちは、いつもくじを引いて、どちらかが受け持つことにしている。
 二本のこよりを作って、こよりの尻に赤い印の付いているのを引いた方が仕事を担当するのだ。くじはいつも、私が作り、どちらか引くのはいつも彼だ。
 彼は私が作ったこよりくじをジッと見つめて、
「よし来い!」っと気合いを入れて引いて、
「来たー。私の勝ちだ。ご苦労さん!」
「負けたか……」
 くじは二本で、どちらかが当たり。だから確率は二分の一。それでも私と彼は、こうして仕事を決めているのだ。
それでいい。
その他
公開:20/09/04 20:01

N(えぬ)( 横浜市 )

読んでいただきありがとうございます。(・ω・)/
ここに投稿する以外にも、自分のブログに同時掲載しているときがあります。

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