放課後の図書室

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窓の外からはサッカー部の掛け声とどこかの教室からは吹奏楽部の楽器の音色が聴こえる。
この時間ほぼ毎日図書室で二人の女子生徒が隣同士で読書をしていた。
一人は夏目漱石を、もう一人は持ってきた漫画を読んでいる。
お互いクラスメイトでもなければ仲がいいわけでもない。
放課後の図書室で行くと必ずいて、そのうち一緒に座って本を読むようになった。
二人はまだ話したことはない。
「告白されたんだっけ?川口くんに」
漱石は初めて漫画に話しかけた。
川口くんは漱石が好きな男子だ。
「うん。されたよ」
ページが捲れる音がよく聞こえた。
「どうしたの?」
「断ったよ」
またページが捲れる音。
「そうなんだ」
「面倒なの駄目なんだ」
ちょうど彼女は読み終えた漫画を置いた。漱石も同じく本を置いた。
「君はよっぽど度胸がないんだね」
漱石は?マークを顔に貼った漫画に読み終えたばかりの夏目漱石を渡した。
青春
公開:20/09/03 15:32
更新:20/09/03 17:10

Yukihiko,Tonitani( 千葉県 )

創作が好きで自分のペースで作品を書いていきたいと思います。
宜しくお願いします。

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