おかしな競技

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ででん。と僕らの前に立ちはだかる青々としたJellyは富士山みたい。

ふわふわたっぷり。生クリームは入道雲のよう。

てっぺんに真っ赤なチェリーが一粒。お日様みたいに輝いている。

ジェリーフラッグ、三時大会。

ひとつのジェリーを交互に食べて、先にチェリーを落とした方が負け。

緊張するけれど、ここで匙を投げだすわけにはいかない。

『位置について──用意』
──パァン!!

クラッカーが鳴るやいなや大きく振りかぶってジェリーの山へ匙を入れる。
ふるふると山が震えて、クリームごとチェリーが崩れ落ちそうになる。
弟が怯んだ。ちょびっとしかすくわない。すかさずもうひと匙。
ぷるるん!
ちょびっと。
ぷるるん!
ちょび……コロン!

チェリーが落ちた、僕の勝ちだ!

ママが金のメダルチョコをくれた。
負けた弟がかわいそうなので、僕はパキン! と割って半分あげた。
明日のオヤツも楽しみだ。
その他
公開:20/09/03 14:42
更新:20/09/03 18:09

椿あやか( 猫町。 )

【椿あやか】(旧PN:AYAKA) 
◆Twitter:@ayaka_nyaa5

◆第18回坊っちゃん文学賞大賞受賞
◆お問合せなど御座いましたらTwitterのDM、メールまでお願い申し上げます。

◆【他サイト】
【note】400字以上の作品や日常報告など
https://note.com/nekometubaki



 

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