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真夜中に目が覚めた。
ふすまの向こうから、女のすすり泣く声が聴こえてくる。
いざふすまを開けると、女がすすり泣いていた。
「何してるんですか」
嗚咽混じりに、女は言った。
「すすり泣いてるんですよ、見てわかりませんか?」
僕は頭を振って台所へ行き、ウォーターサーバーから水を注いで飲んだ。
ぎりぎりぎり、と何か繊維状のものがこすれ、きしんでいるような音が奥の部屋から聴こえた。
そこへ行き、備え付けのクローゼットを開くと、老人の男が中で首をつっていた。
「何してるんですか」
老人は時間をかけて輪の中に指をねじ込み、なんとか気道を確保して言った。
「首をつってるんだ、見りゃ、わかるだろ」
僕はうなだれてため息を付き、寝室に戻った。
突然、妻が目を覚ました。息が荒い。
「ものすごく怖い夢を見たわ」
「どんな夢?」と僕は訊いた。
「ものすごく怖い夢よ」
僕は頷いて布団に潜り込んだ。
ふすまの向こうから、女のすすり泣く声が聴こえてくる。
いざふすまを開けると、女がすすり泣いていた。
「何してるんですか」
嗚咽混じりに、女は言った。
「すすり泣いてるんですよ、見てわかりませんか?」
僕は頭を振って台所へ行き、ウォーターサーバーから水を注いで飲んだ。
ぎりぎりぎり、と何か繊維状のものがこすれ、きしんでいるような音が奥の部屋から聴こえた。
そこへ行き、備え付けのクローゼットを開くと、老人の男が中で首をつっていた。
「何してるんですか」
老人は時間をかけて輪の中に指をねじ込み、なんとか気道を確保して言った。
「首をつってるんだ、見りゃ、わかるだろ」
僕はうなだれてため息を付き、寝室に戻った。
突然、妻が目を覚ました。息が荒い。
「ものすごく怖い夢を見たわ」
「どんな夢?」と僕は訊いた。
「ものすごく怖い夢よ」
僕は頷いて布団に潜り込んだ。
その他
公開:20/09/03 07:00
さまようアラフォー主夫
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