透明なヌードル

名前はヌードル
毎日同じ時間に羽を鳴らす
蜂蜜をうすめ餌の場所を教えてあげなければ飲めなかった
虫と触れ合ってこなかった私にはなかなかハードルが高い
それでも手を伸ばすとのぼってきて　会話できているように感じる事もあった
今日もあついね
スポーツドリンクはきらいかぁ
向日葵の蜂蜜が好きなんだね

そのうちヌードルの羽がすこし透けてきていることに気づく

それでも美味しそうに蜂蜜水を吸い
私の手のひらでひと休みする

もう少しだけ長生きするんだよ

きっと伝わることはない
それでも成虫になって３週間以上頑張ってくれた
羽はもう向こうが見えるほど透き通っていた
見ていると涙がこぼれた
惚れ惚れする程綺麗だったのだ

虫籠に心を通わせながら息子を寝かせる
おやすみヌードルちゃんだいすきだよ

息子の言葉が胸に染み込んだ
死ぬとどこに行くのかは分からない
でも自由に空を飛んでいってほしいと願うのだ